先輩と1泊

 

こんな偶然があっただろうか…?

俺はネット先輩と帰る事になった。

理由は風芽と指揮先生の出張。

何か遠い所に出かけてるみたいで1日帰って来ない。

1人でやっていけるってのに(料理出来ないけど)、風芽がネット先輩に家に1泊するように頼んだ。

だからネット先輩の今日の荷物はいつもより少し多い。

料理作ってくれるみたいだから、その荷物を俺が持ってるワケだけど。

「ネット先輩、何かこの荷物カバン凄いボロボロっスけど…、何でボロボロなんスか?」

「…父さんの家と自分の家をハシゴしてたから…、その時使ってたんだ…。こういうのは慣れてるから気をつかうなよ…。」

「あ…、はい。」

話してるうちに家の前に着いた。

「じゃ、入って適当にくつろいでてください。俺、風芽の部屋片付けてくるんで…。」

「あぁ…。」

ネット先輩は辺りをキョロキョロ見回してからソファーに座った。

俺は風芽の部屋に入って急いで片付けをする。

風芽は一応顔には出さないけど、本で趣味がバレるんだよなぁ…。

「…ほとんどポルノ雑誌じゃねぇか…;;」

あまり風芽の部屋に入らなかったから分からなかったけど…、これ黙って処分してやろうか…ってぐらいヤバイ雑誌が多い。

とりあえずゴミ袋の中に雑誌を放り込んで、物置の中に突っ込んでおいた。

「ネット先輩、片付け済んだんで荷物貸してくださーい。」

ネット先輩はまだ部屋をキョロキョロと見ていた。

「…そんなに俺の家(というか風芽の家)って変スか…?」

「…いや…、小さくて狭い家で良いな…。」

「それ、褒めてんスか…?」

ネット先輩はうんうんと頷く。

「無駄に広くて部屋の多い家は嫌だぞ…?

相手がどこに居るのか探すの大変だし…、相手が帰って来たのかも分からない…。

同じ家の中に居るのに…、離れ離れな気持ちになる…。」

…豪邸は豪邸で大変なんだな…。

近すぎるとウザイから嫌だけど、離れすぎても寂しくて嫌だ。

ネット先輩の気持ちは、俺には痛いほど分かる。

「じゃあ、ネット先輩はここに居ると安心するんスか?」

ネット先輩は苦笑して首を傾げた。

「…どうだろうな…。新しい場所は慣れないと安心感は得られない…。でも…、お前の家なら安心するかもな…。」

「…良く分かんないスけど…、そんなもんなんスか?」

「あぁ…。そんなもんだ…。」

ネット先輩は立ち上がった。

「…もうそろそろ晩飯を作るか…。キッチン借りるぞ。」

「あ、はい。俺、荷物置いてきますんで。」

俺はまた風芽の部屋へと向かった。

 

晩飯と風呂を済ませ、俺はネット先輩と世間話をしていた。

丁度話は俺が風芽の家に居候するようになったきっかけ。

ネット先輩は俺の話を真剣に聞いてくれた。

「俺…、家出したのも親の期待裏切ったのも悪いと思ってる。でも…、俺は俺のやりたい事がしたいんスよ。

それを言っても親が動いてくれなかったから…、俺は家出したんス。…ネット先輩は俺の事…、悪いヤツだって思うっスか…?」

ネット先輩は俺の頭に軽く手を置いた。

「悪いと思っている…。だが、親も悪いと思っている…。だが…、それはお前がやりたい事を果たした時に分かるんじゃないか…?」

俺の頭をクシャクシャと撫でた。

「とりあえず今は自分が良いと思う方向へ進むしかないだろ…?俺も進みたい方向へ進んでる…。それで良いんじゃないか…?」

「…そっスね…。」

ネットさんは俺より3歳年上だけど、今までの人生は振り返るにはまだ短いけど波乱万丈で…、俺にはとっても頼れる先輩だと思う。

「…あ、先輩、雪…。」

「ん…?…積もりはしないな…。」

「でも…初雪っスよ?」

「そうだな…。表に出るか…?」

「嫌っス。寒いじゃないスか。」

俺はネット先輩の腕に抱き付いた。

「今は先輩にくっ付いていたいんスよ…。」

先輩は俺の腕を振り払わなかった。

雪は冷たいはずなのに、俺の心を温めてくれた…。

 

END

 

 

*コメント*

ご飯前だったので最後の1、2行は適当;;

…×必要なかったなぁ…;;

&だろこれは…;;

 

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