てぶくろ

 

雪が久々にちらついた2月の終わり。

今日は部活は休み。…なーんて嘘。サボってま〜す♪(オイ)

ネットと一緒に帰ろうと思って、ネットがいると思う美術室の前まで来た。

廊下側の窓からネットの姿が見える。

「…本当に…、1人で頑張ってるなぁ…。」

ネットはたった1人の美術部員。

指揮が怖くて皆入らないんだろうけど…、別に指揮は怖く無いぞ?

…え…?『だったらお前が入れ』って…?

HAHAHA…無理無理;;俺、絵は苦手だから;;

でも…、特に何をやるでもないしなー…。(見た目は)

ネット、寂しそうだから…、一緒に居るぐらいなら…。

 

「…伸博…?」

「ぉわっ?!」

 

さっき美術室の中に居た筈のネットが俺の目の前に居た。

「ネット…、いつの間に…;;」

ネットは静かにさっきまで居た美術室へ視線を移した。

「…なんとなく気配を感じてな…。

俺に目を向けているが一向に入ってこないからこっちから来てやった…。」

「そ…、そっか…;;」

苦笑するネットの綺麗な顔が絵の具で汚れている。

俺は顔の絵の具を取ってやろうと頬に手を添えた。

が、あまりの冷たさに慌てて聞く。

「ちょ…、ネットめちゃめちゃ冷たいじゃん!!」

「ん…?あぁ…、美術室の暖房の灯油が切れててな…。」

「だったら灯油足せって!!」

「…面倒くさい…。」

…面倒くさいって…;;

「しょーがないな〜;;」

俺はカバンに入れていた手袋の片方を渡した。

「今日はもう部活終わってさ、これ付けて一緒に帰ろ?」

ネットは片方の手袋を受け取って首を傾げた。

「…片手だけでは冷たいままだぞ…?」

「だーかーらー…」

俺は左手に手袋をつけ、ネットには右手に手袋をつけさせた。

そして手袋をつけていない俺の右手をネットの左手と繋いだ。

「これでバッチリ♪さっきより温かいだろ?」

ネットから返事が返ってこない。

どうしたのかとネットを見ると、ネットの顔が真っ赤になっていた。

「ね…、ネット…?」

ネットは真っ赤な顔で小さく何か呟いた。

その言葉は俺にしっかりと伝わっていた。

「えへへ〜♪じゃ、行こうぜ♪」

「…あぁ…。」

 

帰り道を歩く俺とネット。

大体その間にする話は指揮の事や譜面の事。

最近ネットは譜面と仲が良くなってきたらしくて、

今は指揮と譜面の分の弁当も作っているみたいだ。

…ネット…、だんだん主婦化してってるなぁ…;;

一妻多夫ってヤツ…?(ネットに言ったら怒られそう;;)

…ん、そーだ♪

「ネーット、『てぶくろ』を逆さから読んでみて〜♪」

「お断りだ。どうせ『ろくぶて』って言ったら6回打つんだろ…?」

「むっ!何でそれを!!」

「そんなの小学生でも引っかからないぞ…;;」

む〜!!何か悔しい〜!!

…こーなったら…!

「あ!UFO!!」

「…そんな嘘に引っかかると思っ…」

「不意打ちぃ!!」

俺はネットにキスをした。

ネットが引っかかったら頬で済んだんだけど…、

引っかからなかったから唇に当たっちゃったー♪

ネットは顔を真っ赤にして目を丸くしている。

「の…、伸博っ…!?」

「へへ〜んだ♪引っかからない方が悪いんだって♪

でも…、1つだけ嘘じゃなかったじゃん。」

「……?」

「俺がネットの事好きだって事♪」

ネットはまだ真っ赤なままの顔で頷いた。

「んじゃ、寒いしさっさと帰ろ?」

「あぁ…。」

俺とネットはしっかりと手を繋いで分かれ道まで一緒に帰った。

 

翌日、部活に行ったら和声に凄く怒られた;;

うー…;;だからって5人分の荷物持ちだなんて拷問だーっ!!!(泣)

 

*コメント*

 

…なーんか違くねぇ…?

最初はネット&伸博だったのに、伸博vネットになってるぞオイオイ!!

伸博は受けだろ馬鹿ーっ!!!!

ネットは…両方OKだからいいけど…、でも伸博に対しては攻めだろー!!

話読む前に気付いた人もいるかなー?

だってファイル名が『6bute.htm』…。

あーもー!何か色々メチャクチャだーっ!!

 

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