早朝。

俺はセミの声で目を覚ました。

いつもと違う洋風な寝室。

そして両サイドには指揮とネット。

俺は今、指揮家のベッドの上。

 

朝日

 

昨日ネットから電話があった。

『…夕飯が余ってな…。生物だから食べに来るついでに泊まらないか…?』

流石高校生主婦ネット。

俺は親友の頼みという事もあって、俺はすぐに指揮の家に向かった。(家から3分だし)

 

インターホンを鳴らすとネットがドアから、そして指揮がベランダから声をかけた。

「「よく来たな。」」

…ハモってる…。

「ベッドも風呂も用意出来てる。どうする?飯にするか?先に風呂入るか?」

「んー…、先に飯貰うよ。」

「分かった。」

俺は指揮の家に入っていった。

そして気がつく。

 

さっきの会話は新婚夫婦の会話じゃ…!?

 

ちょっと不安になりながら俺は部屋に通された。

全体的に白が眩しい。

そしてそんな眩しい部屋に色んな意味で眩しい人が…。

「よぉ☆」

半裸で指揮はそこにいた。

確かに今日は暑いけど…、俺、客だぞ…?

「父さん、伸博は俺に任せて先に風呂入って寝てろ。」

「ヤダ。伸博の体を洗うのは俺の役目だ。」

「何勘違いしてるんだ。俺は伸博を1人で入れるつもりだ。」

「風呂の中にタコがいたらどーすんだぁ!!!!!!」

…何か俺を巡って(?)凄い争い(?)になってる…;;

…っていうか…、風呂にタコいないから…;;

その争いに終止符を打ったのはネットだった。

「俺の事なんか何にも思って無いんだ…!!!!!」

そう言ってネットはカスタネットで指揮を殴った。

「グボッ!!」

指揮はその場で倒れた。…幸せそうな顔をして。

ネットは悲しそうに苦笑した。

「…じゃあ、飯出すから…、そこら辺に座っててくれ。」

「あ、あぁ…。」

ネットの背中が寂しそうで、俺はここに居ていいものか、少し困ってしまった。

 

<続く>

 

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