表に並んだ沢山の箱。

赤系の包みの横にサンプルのチョコが置かれている。

「…美味しそうですね…。自分用に1つ買おうかな…。」

僕が悩んでいると、氷上先輩は2つの箱を手に取った。

「…はぁ…。」

「…どうしたんですか…?」

氷上先輩は2つの箱を僕に見せた。

「こっちは甘さ控えめ、こっちはラム酒が入っているんだが…、

指揮はどっちが好みかと思ってな…。

よく考えたら…、指揮の事あんまり知らないし…。馬鹿だな…。」

そしてまたため息を1つ…。僕は慌てて首を横に振った。

「…氷上先輩の想いが強ければ…、指揮先生に伝わりますよ…!

…あっ…、僕だったらラム酒入りを選びますよ…。

…こう…、男はお酒で酔わしちゃえ〜!!…ってやつですよ…!」

あぅ〜…;;あんまり励ましになってないような…;;

氷上先輩は、

「なら、お前も酔ってしまうな…。」

と笑った。…僕も男だもんね…;;

「なら…、あと1つか…。」

と呟いて氷上先輩は再び箱の方へ目をやった。

あと1つ…?…誰にあげるんだろう…。

先にレジに行って栗矢さんに会計をしてもらう。

その時栗矢さんが僕に、

「あの連れて来た子、結構ひー君に気があるみたいだねぇ?」

と言ってきた。僕は首を傾げる。

「…そうですか…?」

栗矢さんは大げさに頷く。

「うんうん!ひー君はあの子に愛されてると思うよ?」

「…でも…、僕は指揮先生と氷上先輩の仲介役でしかないですよ…。」

いつも氷上先輩の恋のお手伝い…。

そんな関係でしかないのに憎しみも湧かないのは…、きっと氷上先輩が大好きだからだろうな…。

「ん〜?だったらあんなに俺を敵視しないと思うけど?」

敵視…?…あぁ…、やっぱり怒ってたんだ…。

「あーいうムッツリさんはね、心の底から好きになった相手を愛してやれる良いヤツなんだよ。

まぁ…、それを受け入れるかはひー君次第だけどね。」

…氷上先輩は…僕の事が好きかもしれない…。

そう示した言葉は一筋の天からの光のようで…。

「…僕、頑張ります…。」

と僕は柔らかい笑みを浮かべた。栗矢さんも微笑む。

「…この2つにする…。」

氷上先輩がレジに来た。やっぱり少し不機嫌そうに…。

「はいよ。でも先輩さん?何でまた2つなのかな?」

氷上先輩は黙ってしまった。が、少し俯いて、

「…1つは終止符を打つ為の箱…。…もう1つは始まりを告げる箱…。」

と呪文のような言葉を呟いた。でも栗矢さんはそれを理解したようで、

「ふぅん…。ま、頑張りなさいな♪」

と氷上先輩の方を軽く叩いた。

そして、僕達はお店を出て行った。

 

「…あの時…、何の話をしていた…?」

公園前まで来た時、氷上先輩が尋ねた。

「…え…?…氷上先輩の事ですよ…?

氷上先輩は心の底から好きになった相手を愛してやれる良いヤツだ…って、

栗矢さんが言って…その…。」

僕の顔は真っ赤になった。これで渡すタイミングを逃してはいけないと思い、

僕は紙袋に入っていた箱を出して氷上先輩に差し出した。

「…ひ…氷上先輩っ…!…あのっ…バンドに入った時から…その…、」

…言えない…。それでも僕は勇気を出して掠れた声で、

「…好き…でした…!」

と氷上先輩に想いを伝えた。

「…光…。」

氷上先輩は箱を受け取った。軽く微笑んで…。

氷上先輩も紙袋の中に手を入れ、淡いピンクの紙に包まれた箱を出した。

「『1つは終止符を打つ為の箱、もう1つは始まりを告げる箱』…。

お前に渡すのは…、始まりを告げる箱だ…。」

氷上先輩は少し屈んで両手を僕の頬に添えるとキスを落とした。

氷上先輩とのキスは、寒い2月には丁度良い温かなものだった…。

「…明日のライブ…、頑張ろうな…。」

「…はい…。」

緊張した空気は和み、小粒の雪が降り始めた。

「…じゃあ…、そろそろ帰るか…。」

「…そうですね…。」

別れる前に温かさをしっかりと刻みつけて…、

「…さようなら…、氷上先輩…。」

「また明日な…。」

僕達は上機嫌で温かな家へ足を進めた…。

 

《 E N D 》

…あは♪(殴)やっと書いた気がします…;;琳×光の話…。

これは管理人2人ともOKなCPなので書かせて頂きました。

どうでしょう…?…どなたかハマって…?嫌?(誰に聞いてる)

バレンタインの話なのに節分より前…っていうか1月に完成してます;;

MB書き易いから好きですvメインストーリーの小説もやっと書き始めました。

かなり遅すぎ…;;今まで妄想で止めてましたがやっと書けそうです…。

あぁ…、でも何だろうこの甘さは…;;っていうか新たにキャラ作るなよ…;;

しかも琳さんのライバル…。『ひー君ファンクラブ』の会長でございます。

あ、没ネタがあるんですが、今後使うかもしれないので反転してみます。

↓から反転してるので、興味のある方は『全て選択』等で見てくださいませ…。

光君は喉を痛めてるので、のど飴を常備してるんですよ。

で、そののど飴の購入場所が栗矢さんのお店なんですよね。

だからレジを出る前に、

「ひー君、最近バンドで忙しいからココ来れないでしょ?

いつもののど飴多めに持って帰る?」

「…え…、でも…、今日はそんなにお金持ってないですし…。」

「お金はまた今度寄った時で良いよ。だから今持って帰りな♪」

「…じゃあ…、お言葉に甘えて…。」

とかいうのを入れて琳さんの嫉妬の炎を更に大きくしようと思ってたんですよ。

でもあんまり話を長くするのもいけないと思ったので没。

とりあえず御疲れ様でした。

このあとポケスペ(モン?)のバレンタイン小説の作業に入ろうと思います。

シルゴなので好きな方はお楽しみに…v

そしてさり気にグリレもあるのでグリレ好きもお楽しみに…v

 

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