おまけ
「…ぅ…ひっく…ぐす…。」
僕は病室で氷上先輩を待ち続けた。
その間に僕に同情して病室に残る人が何人か現れた。
嬉しいけど…脱落者は全校集会で好きな人をバラさないといけないんじゃ…;;
…何か悪いなぁ…;;
また扉が開いた。
…あれ…?…ドアの閉まる音がしない…?
「…げ…;;ひ…氷上だ…;;」
「やべ!睨んでるぞ。逃げろ!」
…氷上先輩…?!
目を包帯で覆われた僕は、氷上先輩を探す事なんて出来なかった。
また出て行ってしまうんじゃないかと不安でいっぱいだった。
ぽむ。
頭に触れる温かな手。
ぎゅ。
抱き締められ、感じた匂いで氷上先輩だと分かった。
「…先輩…もぉ…遅いですよぉ…。」
僕の背中を軽く叩いて宥める氷上先輩。
そっと僕の頭に触れ、目の包帯を外してくれた。
「…っ…氷上…先輩っ…!!」
やっと僕は氷上先輩の目を見て泣く事が出来た。
「…光…。」
氷上先輩が軽く微笑んだ気がした。
「…行くか…?」
氷上先輩の問いに僕は頷いた。
ベッドから降り、氷上先輩と手を繋いで僕は病室と化した保健室を出て行った。