部長の嫌いな夏休み

 

セミが煩い7月末の昼。

音楽準備室で汗を拭き拭き紙と睨めっこをする少年が1人。

そしてその様子を面白そうに見つめる少年が1人…。

 

「…暑い…。」

五線譜に音符を並べては消し並べては消しの繰り返し。

吹奏楽部部長でありNatural Prestoメンバーの和声はため息をついた。

「…セミの鳴き声が俺の作曲活動を阻んで書けない…。」

頭を抱える和声をよそにマネージャーの健は、

「わ〜れ〜わ〜れ〜は〜う〜ちゅ〜う〜じ〜ん〜だ〜。」

と扇風機で遊ぶ。

「健〜…!!扇風機を独占するな!!ただでさえ気休め程度でしかないのに…!!」

扇風機から健をベリッと離す。

「…暑…。」

「って和声!お前も独占しとるやんけ!!」

「さっきお前が独占してた分俺も涼しい思いをする…。」

健はちらりと和声の作曲ノートを見た。

「ギターにベースにドラムにピチカート…。そんでもってキーボードが3つ…ん…?グロッケン…?なあ和声…、これって…。」

「…今度の曲はお前に友情出演してもらう…。…マネージャーしてもらってるからな…、たまには良いかと思って…。」

和声は扇風機から離れて机へ戻る。

「…他の曲も作らなければならないから、とにかくこれを早く終わらせたいんだ…。」

タオルを首に掛けて再びノートに目を向けた。

「…ほな、先生にお茶もろて来るわ。氷入りのギンギンに冷えたヤツな!水分不足は体に悪い!」

そう言って健は準備室から出て行った。

「…お調子者…。」

和声は手を止め目を伏せた。

煩いセミの声はいつの間にか歌に変わっていた。

そう感じただけだろうが、それが和声の作曲魂に火をつけた。

「…これだ…。」

和声は再びシャーペンを握り五線譜に音符を並べていった。

 

和声は夕方にはその曲を完成させた。

その曲は最初に考えていたハードな曲と違い、

優しい涼しげな曲になったという…。

 

E N D

 

 

*コメント*

…ふったりっきり〜♪(アホかい!)

和声さんが今月誕生日だったのを思い出して書いたブツです。

梅雨明けてませんがセミの声が聞こえます。

公園近いんで外に出たらよく聞こえます。

あ、使おうと思って忘れてたネタが1つ。

和声が『セミの鳴き声が俺の作曲活動を〜』って台詞の後に健が、『俺の技でこの付近のセミ抹殺したろか?』と言うようなのを考えてました。

…でもヤバイですねぇ…;;夏の風物詩を抹殺…;;

わずか1週間程度の命を抹殺…;;

自然は大切にしましょうv(殴)

 

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