朝見ル君ニ胸痛ム想イヲ…
「…広い家も困ったもんだな…。」
俺は階段に座って開く様子のない玄関前のドアを見つめていた。
家が狭ければすぐに相手の顔を見る事が出来るし、ドアの開け閉めする音も聞こえる。
だが、豪邸と言っても過言でない父さんの家はそれを感じられない。
「…もう3時か…。」
どこかで女と飲んでるのだろうか…?
事故は…あのゴッキー並みの生命力なら大丈夫そうだが…;;
この時間に他の先生の家に電話なんて出来る筈も無く、俺は父さんを階段で待ち続けているのだった…。
「…5時…か…。」
この時間は遠方から来てる先生が起きる時間だろう。
あとは色々用を抱えた先生も…。
「…遅い…。」
俺はいつ帰ってきても良いように階段から離れ、食事の準備を始めた。眠い目を擦って温かい食事を作る。
「…あんな奴…母さんは何で好きになんか…。」
野菜を刻む手に力が入る。
「……痛っ……!」
野菜を押さえていた左の小指を切ってしまった。
紅い血が俺の指を這っていく。
父さんの血が俺の中に流れている…。
「…こんな血なんて…。」
その血を舐めてみた。
鉄の味しかしない紅くて傷口からジワジワと溢れるそれは、少し温かくて、少し冷たかった。
俺は滲むその血を何度も舐めていた。
「…くそっ…!」
その回数が増すごとに視界がぼやけていく。
涙が溢れて調理なんて出来る状態じゃない。
「…父さん…っ…。」
俺はその場でしゃがみ込んで泣いた。
…心配させるなよ…。
…そうやって母さんを陰で泣かしてたんだろ…?
…そうでないのなら目に見える証拠を見せろ…。
…言われたくなかったら今すぐに帰って来い…。
…俺を泣かすな…。
「ただいまー…っと…。」
父さんの声に俺は顔を上げた。
「…父さん…。」
「ずっと起きてたのか?…悪かったな…。」
俺の頭をクシャクシャと撫でる。
「…何で遅くなったんだ…?」
「東麻と符音と俺で飲みに行ったんだがな…、東麻がやたら酒に強くて飲み屋でそのまま寝てしまって…;;」
…そういう事か…。
俺は頭を抱えて苦笑した。
父さんらしいと言えば父さんらしいかもな…。
「今日はもう休め。途中で倒れたら大変だろう」
父さんの言葉は優しくて温かかった。
俺は起き上がって頷いた。
「…おやすみ…父さん…。」
「あぁ…。ゆっくり休めばいいからな…。」
俺はやっと安心して眠りについた。
…外はもう朝だが…。
E N D
*コメント*
…も…もう限界だぁッ!!(ちゃぶ台ひっくり返し)
長々と打って3時間は絶対に過ぎました;;
そろそろ暑さに耐えるのも限界です;;
とりあえずこれでハッピーエンドにさせてください;;
あと、『手紙』を入れるのを忘れました;;
というか、途中から手紙話を入れるネタでなくなって…;;
やっぱりこの親子大好きですv
この親子+譜面T(ネットの義父)だともっと好きですが…v
今回は色々と長々失礼しました;;
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