オセロのお茶会

 

3時になれば白羽も黒羽もお茶の時間。

聖水とお菓子で親しい人と楽しい時間を共有する。

それが幸せだ…って純白が言ってた。

うん。俺も幸せ。

「漆黒ー、純白ー、お茶会まぜてぇなー♪」

…乱入してきた関西弁は黒羽の墨。

…あれ?

「墨!邪魔になるから止めろと言ったろ!!」

白羽の白群も一緒だ…。

墨は俺が浄化の治療時代に世話してくれた人。

黒羽だけど純白の片腕っていう凄い人。

保護した黒羽の情報のほとんどを握っている情報通だ。

白群は上級白位の白羽。

白羽の幹部に当たる人で、純白の同期らしい。

「墨…、お前は白群とすればいいだろう?」

純白は不機嫌そうだ。

「そやけど、漆黒も毎日純白と二人っきりやったら飽きる思うて…。」

純白はチラリと俺を見た。

『そうなのか?』って目が訴えてる。

「うーん…、飽きちゃいないけど…、折角来てくれたんだし、一緒にしてもいいんじゃない?」

純白は「うーむ」と唸って眉間に皺を寄せたが、観念したらしく溜め息をついた。

「…分かった。」

「うぁーい♪お茶会お茶会〜♪」

頭を抱える純白を横目に白群が、

「すまん…;;」

と口を動かしたように見えた。

 

お茶会で食べるお菓子の基本は白羽の家庭料理のエーク。

それか、白羽と黒羽の友好の象徴のオセロサンド。

今日はオセロサンドでお茶会をする。

…俺はエークの方が好きなんだけどね。

「そういえば、午前中全然墨を見なかったけど、何してたの?」

「ん?アレや。灰の見舞い。元気そうやったで。」

「そっか。良かった…。」

…やっぱりお茶会って人数が増えると楽しいな…。

だって、純白はあんまり喋らないし、俺を『可愛い』とか誉めるばっかだし、腹抱えて笑う事も無いし…。

…腹抱えて笑うのはちょっと見たくないな…;;

「漆黒、頬に黒胡椒つけてるぞ。」

「え?どっち?」

純白は急に顔を近付け、俺の頬に唇を寄せた。

…墨はニヤニヤと笑いながら、白群は顔を赤らめながらそんな俺達を見ている。

「ばっ…!ちょっと、手で取ればいーだろ!?」

「だがちゃんと取ったぞ。」

…確に純白の唇には黒胡椒がついてる。

「…ムッツリスケベ…。」

俺は恥ずかしくて下を向いた。

 

<翌日>

「あれ?今日のお茶会は白群来ないの?」

「そやねん。もー、白群たら恥ずかしがりややわぁ♪」

「…白群には刺激が強かったか…。」

「え?何が?」

 

END

 

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