言葉がなかなか出ない夜

 

横で俺を睨む父さん。

それを受け止める背中が痛い…。

気まずい空気が流れる部屋。

もうこんな空間から抜け出したい気分だ。

 

原因は俺。

帰りが父さんより遅くなってしまったから。

それで父さんが怒っている。

俺は素直に謝れなかった。

 

「…ネット。」

低い声に俺は肩を震わせる。

怖くて俺は背中を向けたまま。

涙が出そうで、それを堪えるのに必死で、声を殺してるから声が出せない。

こんなに厳しく叱られたのは久しぶりすぎて、免疫が落ちていた俺は目を硬く閉じていた。

「…返事だけでもしたらどうだ?」

『返事』=『謝る』。

その式が俺の中で出来ていた。

俺は観念した。

「…ゴメン…父さん…ゴメン…。」

ギシ…と父さんが椅子から立つ音がした。

ルームシューズの音が近付き、俺を大きな腕が包み込んだ。

「…よく出来ました。」

耳に掛かる優しい声。

頬を寄せてその温もりを感じる。

「…も…絶対…門限守る…。」

「…まぁ、俺はいっつも門限破ってるから、本当は人の事言えないんだけどな、やっぱり心配だからな。

…これからは気をつけるんだぞ?」

俺は何度も頷いた。

 

もう絶対に門限は破らない。

何度も泣くのはイヤだから…。

 

END

 

 

*コメント*

入浴前だったので本当に時間ありませんでした;;

本当にSSS(ショートサイドストーリー)だなぁ;;

っていうか、本当にネットさん泣かせるの好きだなぁ;;

可愛くなるから好きなんですが…v

 

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