Music Battle 第1話〜始業式の僕等〜

 

ジリリリリリリリ……

 

場地 伸博 本日より高校3年生。

只今目覚まし時計と格闘中です。

 

今日はいつもより遅い9時集合なのに、

目覚まし時計はいつも通り7時に鳴っている。

畳に敷かれた布団の上で、頭から掛け布団を被って無視する。

 

ジリリリリリリリ……

 

「………………。」

 

ジリリリリリリリ……

 

「………………。」

 

ジリリリリリリリ……

 

「……あーもーっ!!うっせぇーーーー!!!!!」

 

俺は被っていた掛け布団を放り上げ、

目覚まし時計を勢い良く蹴り飛ばした。

目覚まし時計は宙を舞い、縁側に落下。

そのままゴロゴロと庭を転がった。

「あー…、すっかり目が覚めちゃったよー…;;」

俺は破損した目覚まし時計をノソノソと回収した。

…あれ…?

そういえば、いつもなら妹のどらむが起こしてくれるのに…。

俺は居間にあるカレンダーを見た。

そこには部活の予定がビッシリと書いてある。

…どらむの字で。

「えーっと…、4月8日はーっと…。」

そこには大きく見やすい文字で、

『NP朝練!8時集合!!』

と書いてあった。

掴んでいる目覚まし時計を見る。

…壊れたのが7時半か…。

…って、ヤバイから!!

今から朝飯食って、着替えて、学校の準備して、

歯磨き&顔洗いしてたらヤバイ!!

俺は朝飯を抜いて大急ぎで用意を済ませ、家を出た。

思えばネットとも45分くらいに待ち合わせしてた…;;

当然、いつもの待ち合わせ場所にはネットが居て、

俺を待っていてくれた。

「ゴメン〜;;遅くなった〜;;」

申し訳無さそうに俺が言うと、

「急げばまだ間に合う…。」

と優しい言葉をかけてくれた。

俺達の通う高校『交響高校』の美術教師、

『指揮 司』の息子であるネット・デルフィン。

高校に入ってできた大切な親友だ。

俺達は早足で通学路を歩く。

 

グ〜…

 

俺の腹の虫が鳴った。

その音をネットは聞いていたみたいで、

「…朝飯、食ってなかったのか?」

と聞いてきた。

「あははは…;;うん;;」

「…そんなに慌ててたんだな…。」

ネットは苦笑しながら通学カバンから弁当箱を出した。

フタを開けると美味そうなサンドイッチが並んでいる。

「サンドイッチにしてて正解だった。」

その弁当箱を俺に差し出した。

「え…?食っていいの…?」

「歩きもって食べるのは、本当は良くないがな…。」

ネット…。めちゃくちゃ嬉しいよホント…。(ホロリ)

「今度飯奢るからな;;」

俺は歩きながらサンドイッチを口に入れた。

…ん〜v美味Vv

 

「伸博!」

「あはは〜。伸博らも寝坊か〜?」

背後から聞き覚えのある声2人のがした。

振り返ると、既に学校に居たと思っていた奴が、

俺達と同じように早足で歩いていた。

吹奏楽部の新部長、音北 和声。

そして和声と仲の良い関西弁の同じ吹奏楽部の黒宇 健。

「…伸博らも…って事は…、お前達も寝坊か?」

ネットの問いに和声は不機嫌そうに答えた。

「俺はちゃんと起きたんだ…。

健が寝坊して、出てくるまでずっと待っていた…。」

和声可哀想に;;

「いや〜、ちょっと昨日の晩、

和声におやすみコールしとってなぁ…、

ちょっと寝るの遅かってん。」

おやすみコールって…;;

本当に健は和声と仲が良いなぁ…。

 

雑談で盛り上がっているうちに高校へ着いた。

時間は8時10分。立派な遅刻だ。

俺は歩いている間に空にした弁当箱をネットに渡した。

ネットは吹奏楽部部員じゃないからここでお別れだ。

「それじゃあネット、また後でな。」

「あぁ…。」

ネットと分かれた俺達は音楽室へと駆け出した。

 

<第1話終わり>

 

*コメント*

脱線しながらなんとか書けた…;;

和音がまだ出てないんで、健と和声がちょっとラブっぽいです。

次回は琳とひー君(光)が登場しますので、

次回もお楽しみに…。

 

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