離れる事情

 

「愛しの東麻〜Vv」

俺はいつものように東麻に抱きつく。

いつもの愛の蹴りが俺を待ってる〜♪と思ったら…、

「く…くっつくな馬鹿っ!!」

とビンタを食らってしまった…。

「ど…どうしたんだよ東麻〜?」

肩に手を置こうとしたら、

「触るな〜!!」

と顔面に足跡を付けられてしまった…。

 

…東麻のヤツ…、何かあったのか…?

…まさか…、誰かにやられた…とか…?!

 

「東麻〜?何で俺から離れようとすんのさ〜?」

翌日、晩飯を作りに来た東麻に聞いてみる。

俺の手は東麻を抱きしめたくて昨日からウズウズしている。

「…言いたくない…。」

にんじんを刻みながら答える東麻。

「誰かにやられたとか〜、他に好きなヤツが出来たとか〜?」

「んな訳無いだろ。」

んじゃ何だよ〜?気になるじゃんか〜っ!!

「え〜い!東麻教えろ〜!!」

俺は殴られるの覚悟で東麻に抱きついた。

「うわっ!!やめやめっ…!!痛い痛い!!」

「え?そんな強く抱いてないだろ〜?」

それでも東麻は嫌がっている。俺は渋々離れた。

「あっ…!駄目駄目…!!離れるな〜っ!!」

どっちなんだよ〜!!が、もう時すでに遅し。

俺の体は東麻から離れた。

 

パチッ…パチ…

 

「痛〜っ!!」

さっきの音は…?

「俺、静電気嫌いなんだって〜;;」

東麻は半べそをかいている。

「東麻…?もしかして静電気が嫌いだから離れてた訳…?」

「うぅ…;;だって符音って冬場はセーターよく着るだろ〜?

着せたくないけど人の服についてどーのこーの言うのも嫌だから…。」

東麻…!俺の事を思っての行動だったんだな!!(じぃ〜ん)

俺はセーターをおもいっきり脱いで東麻を抱きしめた。

いつもは足蹴りをしてくる東麻も今回は大人しい。

「…符音…、1つ聞いても良いか…?」

「ん〜?」

「…値札…付いたまんまだけど…切っても良い…?」

…………。

「ばっ…馬鹿野郎〜!!折角ムードが良い感じだったのに〜!!

そういうのを場面を考えずに言うからお前はモテないんだ〜!!」

「なっ…!お前だって俺が来てやんないと何も出来ないくせに〜!!」

「絶対にお前は彼女なんか出来ねぇ!!」

「お前も絶対彼女なんか出来ない!!」

「可哀想だから俺はお前を愛してやる!!」

「俺だって……へ…?!」

「『俺だって…』…ん〜?続きは〜?」

「…可哀想だから…。」

「可哀想だから〜?」

「っ…愛してやるよっ…!!ったくも〜!!やられた〜!!」

東麻は俺の頭をポカポカと殴る。

全然痛くないあたり、それが東麻の優しさなんだな〜とまた感激したりv

「…ところで符音…。」

「ん〜?」

「そろそろ放してくれないかな…?」

「やだ〜!昨日から全然抱かせてくれなかったからその分抱いてやる〜!!」

「はぁ?!飯が作れないだろ?!」

「俺はお前の愛で腹いっぱいだも〜んv」

「俺が腹減った!!」

「じゃあ、俺が口移しで〜v」

「いらんわボケェ〜っ!!」

 

俺は東麻に痛〜い愛をもらった。

その愛は色に例えるなら血の色で、味に例えても血の味だった。

もう今晩は抱かせてもらえそうにない…。

 

E N D

 

 

*後書き*

2日で出来たバカップルストーリー;;

そしてちょっと(かなり?)季節外れ;;

静電気は冬によく起きるんですよね〜。

私は静電気が嫌いなので、冬の洗濯物の取り込みは大嫌いです;;

符音先生はいつもあんなテンションです。

アホさ丸出し;;よく教師になれたもんだ;;

トークっぽいSSになってしまいました;;

でもこれの方が書き易いですv

 

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